歩行・姿勢の評価
歩行動作を分析をしてインソールを作成する所は大変少ないです。
歩行は人の基本動作ですが、足の衝き方、体重の圧力のかかり方、重心移動は足の状態により大きく異なります。
人それぞれの身体のバランスを診て、歩行動作を分析をすることにより、その人に必要な足の処置ができるのです。
一般的なインソール作成方法は、立ったまま、座ったまま「動かない状態の足」に合わせて作られます。
しかし人は歩き、立ち、運動するものですから「歩行を分析・解析」しなければ歩行に適したオルソティックス(インソール)を作ることは出来ません。
当院で行う歩行分析では、
「静的・動的・姿勢」の3つの観点から分析・解析を行い
あなただけの特別なオーダーメイドインソールを制作致します。
- 足底圧の計測
- 対時間曲線の最大値と力の計測
- 面圧と各足の最大圧力の計測
- 重心動揺の計測
歩行サイクル
- スタンスフェーズ(立脚期) – 歩行サイクルのウェイトベアリング部分。かかとの着地から開始され、同じ足のつま先で終わる。
- スイングフェーズ(遊脚期) – 歩行サイクルの非加重部分。つま先を離した時から開始し、かかとの接地で終わる。
歩行サイクルのスタンスフェーズ
スタンスフェーズは、歩行サイクルの60%を占めます。
スタンスフェーズにはいくつかの段階があります。
- ヒールストライキ(Heel strike)
- フットフラット(Foot flat)
- 中立姿勢(Mid-stance)
- ヒールオフ(Heel off)
- トウ・オフ(Toe off)
ヒールストライク
かかとが床に触れると始まります。足首は中立位置にあり、膝はわずかに曲げられ、股関節は約30度の屈曲度である。
かかとのストライキで体重がスタンスの足に移り始めます。
フットフラット
足全体が床に接触している状態です。足首は約5cmに動きます。5〜10度の足底(屈曲)、膝は15度の屈曲に移行します。股関節が伸展して体幹が下肢の動きに合わせて動きます。
中立姿勢
身体がスタンスの下肢を通過し、脚が垂直位置に近づいていて、もう一方の足が動いている片足支持を行っています。
足首は軽度の背屈に移行し、膝、股関節は伸展します。体幹は中立位置にあります。
ヒールオフ
ヒールオフは踵がちょうど床から踵が持ち上げ始めたときから開始します。足首は最初に背屈し、その後、屈曲します。股関節は過伸展しいき、体幹は同じ方向に回転します。
トウ・オフ
つま先が床を離れるときの状態です。そして、スイングフェーズの開始します。
つま先は過伸展、足首は底屈し、膝は屈曲していきます。このフェーズの終わりまでに、股関節は屈曲を開始していきます。
歩行サイクルのスイングフェーズ
足が床を離れ、同じ足のかかと接地で終わり、歩行サイクルの40%を占めます。足が浮いている状態です。
- 加速期(Acceleration)
- ミッドスイング(Mid-swing)
- 減速期(Deceleration)
加速段階
足は体の後ろにあり、足を前に出すように動いて、足首が背屈に動き両膝と股関節は屈曲を続けます。
ミッドスイング
足首は中立の位置にあり、膝は最大屈曲して、ヒップも屈曲していきます。
減速期
減速はスイングフェーズの最後です。この中で、足首は中立に維持され、かかとが屈曲している間にかかとと膝がほぼ完全に伸びるように準備されていきます。